【川南湿原植物群落】日本で絶滅した「ヒュウガホシクサ」の自生地

今回は、宮崎県児湯郡川南町にある「川南湿原植物群落」へ行って参りました!

「川南湿原植物群落」は、昭和49年に”国指定天然記念物”に指定されている湿原です。
植物の種類は78科298分類で、そのうち湿性植物が約110種類、うち約50種類が希少植物です。

平成元年頃には、溜池の水面も見えなくなるほど環境悪化が進み、滅失の危険に晒されます。
保護を目的に、平成7年度から平成22年度にかけて整備が行われました。

絶滅したとされていた国内唯一の「ヒュウガホシクサ」が、約50年ぶりに復活しています。
また、日本では4県でしか見られない、食虫植物の「ナガバノイシモチソウ」の多産地でもあります。

そんな「川南湿原植物群落」の魅力をこの記事で紹介していきます♪

この記事で分かること

「川南湿原植物群」について
「川南湿原植物群」の利用時間・場所
「川南湿原植物群」の見どころ
「湧水池」について
「湿原」について

こんな人にオススメ!

☆食虫植物や貴重な植物やトンボに興味がある方
”国指定天然記念物”に指定されている湿原!
植物の種類は78科298分類で、そのうち湿性植物が約110種類、うち約50種類が希少植物です。

☆のんびり自然に癒されたい方
湿原でのんびりお散歩出来て、癒されます!
貴重な植物やトンボを探しながら、あっという間に一周しちゃいます!

川南湿原植物群落について

「川南湿原植物群落」は、昭和49年に“国指定天然記念物”に指定されている湿原です。
植物の種類78科298分類で、そのうち湿性植物が約110種類、うち約50種類が希少植物です。

平成元年頃には、溜池の水面も見えなくなるほど環境悪化が進み、滅失の危険に晒されます。
保護を目的に、平成7年度から平成22年度にかけて整備が行われました。

絶滅したとされていた国内唯一の「ヒュウガホシクサ」が、約50年ぶりに復活しています。
また、日本では4県でしか見られない、食虫植物の「ナガバノイシモチソウ」の多産地でもあります。

川南湿原植物群落の利用時間・場所

INFORMATION

施設名川南湿原植物群落
住所〒889-1301
宮崎県児湯郡川南町川南19403
電話番号0983-27-8020
※教育課 文化スポーツ係
開園日時4月~9月・・・9:00~17:00
10月~11月・・・9:00分~16:00分
※開園時間は、管理上の都合で変更することがあります。
※月曜日は、閉園します。
※8月13日から15日は、お盆のため閉園します。
駐車場無料
ホームページ宮崎県川南町役場

※2021年9月時点の情報ですので、来られる際は、あらかじめ公式ホームページ等でご確認ください。

MAP

画像出典:Google Map

国道10号線沿いにあります。
宮崎市内から川南町へ進むと、「川南湿原植物群落」の看板が見えるので、その先をすぐに左に曲がります。

川南湿原植物群落の見どころ

川南湿原の開園時間は、4月~9月が9:00~17:00まで、10月~11月が9:00~16:00となっています。
毎週月曜日やお盆期間は閉園日なので、お気を付けください。

4月からと言っても、1日から開くわけではないので、ホームページ等で事前に確認をしてから訪れてみてください!

昭和49年に国指定天然記念物に指定された「川南湿原植物群落」ですが、平成元年頃に、ため池と湿原本体の乾燥化が進み、湿原が消える危機にあったそうです。

その後、平成7年から平成22年までに、湿原の保護と一般開放に向けて、湿原や遊歩道などの整備が行われました。

国指定天然記念物に指定された理由が、“暖地における湿原植物の種類をほとんど網羅しているから”なのだそう。
また、“日本で唯一のヒュウガホシクサの自生地であり、食虫植物のナガバノイシモチソウの多産地”という理由もあるとのこと。

ヒュウガホシクサは、50年以上も姿を見せなかったのですが、長年の保全活動により、近年奇跡的に復活しています。

湧水池

入り口を入ってすぐ左手に、大きな湧水池が現れます。

湧水(ゆうすい)・・・地下水が地表に自然に出てきたもののこと

ここには、たくさんの野鳥やトンボが生息しているそうです。

川南湿原で確認されているトンボは、47種類います。
最小種の「コフキヒメイトトンボ」や、県絶滅危惧種指定の「ベニイトトンボ」なども確認されています。

池の中には、大ウナギもいるらしいですよ!

湿原

右手には、湿原が広がっています。

約3万年前からあると推測されている川南湿原。
古い歴史を持つ湿原が、一度は無くなりかけたのですが、このようにキレイに整備され復活しています。

「シロバナナガバノイシモチソウ」という食虫植物は、西日本で唯一、川南湿原だけで見られる植物です。
整備工事の際に、重機によってかき混ぜられた土の中から生えてきたそうです。

訪れたのが6月頃でしたので、紫色の花「ノハナショウブ」が咲いていました。

この馬道(戦時中に軍隊の馬を行き来させていた道)の東側には、養分の少ない水が流れていて、ミズゴケ類や食虫植物が豊富に見られます。

養分が少なくても虫を捕って生きていけるそうです。
ここでは、モウセンゴケやミミカキグサを見ることが出来ます。

他にも、ミズギク、トキソウ、ネジバナ、サギソウなど、様々な植物が自生しています。

この付近は、イ(タタミ表に使う)やカヤツリグサの仲間が自生しています。

春には、ツボスミレコモウセンゴケ
夏には、コムラサキシキブユウスゲノカンゾウヌマトラノオ
秋には、ヤマトミクリ絶滅危惧種のアオカワモズクが発生します。

川南湿原の関係者の方が来られて、色々と説明してくださいました。

食虫植物が、たくさん自生しています。
モウセンゴケなど。

コムラサキシキブ

夏に淡紫色の花をつけ、秋に紅紫色の実をつけます。

サクラバハンノキ(準絶滅危惧)

九州では、宮崎県だけでしか見られない希少種です。

キレイな小川も流れています。
蛍の幼虫のエサになる虫が、石にたくさんついています。

コフキヒメイトトンボ

川南湿原で最も小さいトンボです。
小さすぎて、ほぼ分かりませんよね(笑)
見つけられるオジサンすごいです!

ミカワタヌキモ

食虫植物で、捕虫嚢という袋を持っていて、水中のプランクトンを捕虫するそうです。

イヌタヌキモ

こちらも、水中の微生物を捕虫するとのことです。
ちょっと、全然違いが分からないんですけど・・・(^^;

シロバナナガバノイシモチソウ

食虫植物で、西日本では、川南湿原でしか見ることが出来ません。
日本でも、宮崎県、愛知県、千葉県、栃木県の4県でしか見ることが出来ないそうです。
その4県の中でも、ダントツで個体数が多いとのことです。

ちなみに、アカバナナガバノイシモチソウもあり、これは愛知県だけで見られるそうです。

写真右の黄色い部分は、ミミカキグサ
土の中の根に袋を持っていて、土の中の微生物を捕虫します。

スイラン

9月頃に、黄色い花が咲きます。

スイランの花が咲いていました。
少し早く出てきてしまったようです。

コイヌノハナヒゲ

写真の中でたくさん生えている、細長い草です。
名前が面白いですね!

イトイヌノハナ

コイヌノハナヒゲよりも背丈が低い草だそうです。
言われなかったら全然分からないですよね。
(言われても、いまいちピンときてないけど・・・)

ヒュウガホシクサ

日本では絶滅したとされていましたが、約50年ぶりに復活しています。
日本では、川南湿原だけでしか見ることが出来ません。
9月~10月に花が咲きます。

画像出典:川南町役場Facebook

川南町役場のFacebookから、画像を拝借しました。
可愛らしい花ですね!

ただ歩いているだけだと、ただの草としか認識出来なかったと思うのですが、説明をしていただけて本当に勉強になりました♪

近年、外来種も多く入ってきているので、残念だと仰っていました。
貴重な湿原ですので、大切にしていきたいですね!

Movie

まとめ

「川南湿原植物群落」は、いかがでしたでしょうか?

  • 「川南湿原植物群落」は、昭和49年に”国指定天然記念物”に指定されている湿原
  • 植物の種類は78科298分類で、そのうち湿性植物が約110種類、うち約50種類が希少植物
  • 平成元年頃には、溜池の水面も見えなくなるほど環境悪化が進み、滅失の危険に晒された
  • 保護を目的に、平成7年度から平成22年度にかけて整備が行われた。
  • 絶滅したとされていた国内唯一の「ヒュウガホシクサ」が、約50年ぶりに復活
  • 日本では4県でしか見られない、食虫植物の「ナガバノイシモチソウ」の多産地
  • 湧水池には、たくさんの野鳥やトンボが生息している
  • 川南湿原で確認されているトンボは、47種類
  • 最小種の「コフキヒメイトトンボ」や、県絶滅危惧種指定の「ベニイトトンボ」などが確認されている
  • 池の中には、大ウナギもいる
  • 「川南湿原植物群落」は、約3万年前からあると推測されている
  • 食虫植物の「シロバナナガバノイシモチソウ」は、整備工事の際に、重機によってかき混ぜられた土の中から生えてきた
  • 食虫植物の「モウセンゴケ」や「ミミカキグサ」を見ることが出来る
  • 九州では、宮崎県だけでしか見られない希少種「サクラバハンノキ(準絶滅危惧)」を見ることが出来る


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。